【♪601♪】ぬかるみ

心と身体がHAPPYになれる環境をつくり

働く女性と子供たちの未来を応援する

 

ある本の一節から

”仏様がある時

道端に立っていらっしゃると

一人の男が

荷物をいっぱい積んだ車を

引いて通りかかった

そこは大変なぬかるみ

車はそのぬかるみにはまってしまって

男は懸命に引くけれども

車は動こうともしない

その時

仏様は

しばらく男の様子を見ていらっしゃいましたが

ちょっと指でその車におふれになった

その瞬間

車はすっとぬかるみから抜けて

からからと男は引いてってしまった”

 

男は仏様の指の力にあずかったことを永遠に知らない

自分が努力して

ついに引き得たという自信と喜びで

その車を引いていったというお話

 

もし仏様の力によってその車が

ぬかるみから引き抜けたことを男が知ったら

男は仏様にひざまずいて感謝したはず

しかし

それは男自身で生きていく力

生き抜く力が

わずかばかりでも減ってしまったかも知れない

 

仏様の力によって抜けることができたという

喜びは得られるでしょうが

生涯自分のチカラで生きていく自信や

苦しい時に越えていく心の強さを

身につけることにはつながらなかっただろう

 

私たちの身近に置き換えると

親が子供に教え

先生が生徒に教え

上司が部下に教え

そのおかげで力がついたとわかれば

子供や生徒や部下は感謝するだろう

 

でも誰かのおかげと思っているうちは

本当にその人の力になっているのではない

 

自分のチカラで頑張ってできた!という自信から

自分の生きる道を歩いていけるようにしていくことが

親の仕事だと教えてくれる話ではないかと思う

 

子供にはわからないところで

親はそっと子供に力を貸していることはよくあること

 

でも、いつもいつも力を貸していては

子供はひとりで生きていく力は

身につかないばかりか

親への感謝も忘れてしまう

 

”教えてもらわないと何もできない若者が増えてきた”

と大人の声をよく聞くが

大人の私たちがそんな若者をあちこちで

作っているに違いないと思った方がいい

 

子供に教えすぎて与えすぎて

自分で生きていく力が

弱っているのかも知れないな

 

あえてぬかるみにはめる

そのぬかるみから出ることが大変だと感じる

でもぬかるみから何とか出ようとする努力をする

あと一歩でぬかるみから出ることが出来るが

それまでの努力を見てそっと少しだけ力を貸してやる

ただし、気づかれぬように

 

たくさんの知識を詰め込んで

頭に記憶させても

それを活躍させる場面がなければ無用の長物

 

知識をつかいこなすための知恵がなければ

勉強してきたことは何の役にも立たない

 

人は失敗をして(=ぬかるみにはまって)

失敗から学び(=ぬかるみから出ることが大変だと感じ)

どうすればいいのか悩み苦しみ(=ぬかるみから何とか出ようと努力をする)

その人なりの工夫や知恵が生まれる(=ぬかるみから出ることができる)

 

家庭でも学校でも社会でも、

ぬかるみにはまった時の抜け出し方を教えるためにも

失敗をさせて

自分でその失敗から学ぶ力を身につける機会を

多く持つことが大切だと感じる

 

どうしても抜け出せないときは

子供にそっと力を貸してあげる優しさも親の役割

 

がんばって抜け出そうとしている子供に

よくがんばったね!

と声をかけてあげるのが

自分の足で歩んでいけるチカラにつながるはず

 

誰かにそっと力を借りて

ぬかるみから抜け出していることは

誰にでもあるはず

 

どこで?

どんなときに?

誰から借りたかはわからない力が

それぞれに潜んでいることを

知っているからこそ

回りの人への感謝の気持ちを

いつも忘れずにいたいな

と感じる一日

 

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